大好き‥だよ。
『完全に固まってしまう前に一口サイズに分け、掌の上で捏ねて丸く形を整える‥‥もうその作業に移って良いのかな?』

その後も一人でブツブツ言いながら、手順に従って作業をした。

「初心者でも簡単に作れる」と書いてあったけど、全然簡単ではなかった。やっぱり私の腕だと、初心者の中の初心者向けの物じゃないとイメージ通りにはいかない。

買った方が良かったのかな。
完成したホワイトトリュフを転がしながら話しかけた。

『ごめんね~可愛くできなくて‥
でもね、愛情はたっぷり詰まってるんだよ。だからきっと甘いはず‥』

転がしていたトリュフを口に運んだ。

『‥ん?甘くて美味しい!』

形の良くない物を選んで頬張りながらも、右手はまだ欲しがっていた。それくらい、好きな人の為に作ったトリュフは美味しかった。手作りにして良かった。心からそう思った。

『後はラッピングをしてっと♪』

箱の中にホワイトトリュフを3×3に並べて蓋をした。その上から青いリボンを結んで、シンプルな袋に入れた。

本当は可愛い袋に入れたいけど‥

渡す所を誰かに見られたらって思ったら、後で言い訳が出来るように目立たない袋にした。


私の想い届きますように

そんな願いも込めて、とけないうちに冷蔵庫に閉まった。
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