大好き‥だよ。
二人の幸せそうな顔を見ていたら私も嬉しくなってきた。それと同時に、自分の気持ちに正直に動く2人を羨ましくも思えた。

暖かい目で見守っていると、和樹君は振り返って私の顔をじろじろ見てきた。

『で、桜井は誰に本命のチョコを渡すんだ?』

何の躊躇いもなく和樹君が聞いてきた。

『和樹!!』

スグに華代が止めに入り「ごめん‥」と謝ってきた。さっきまでのホンワカしていた空気が再び張り詰めた空気へと変わっていった。

『気にすることないよ』

華代はそう言ってくれたけど、何か話さなきゃと必死になって考えた。しばらく無言の状態が続いた。


『ふぅわぁ~』

突然俊チャンが大きな欠伸をした。

『眠っ‥。ってか、今日って体育あったっけ?』

私に向かって聞いてきた。シドロモドロになりながら返事をした。

『へっ?あっ、ううん。今日はないよ。明日‥あるけど‥』

『そっか』

残念そうな顔をしながら、もう一度欠伸をした。

『そうだ!!なぁ~和樹‥』

今思い出した。という感じで自然に和樹君に話しかけた。内容はそれ程のものじゃないけど、2人は声を張り上げて笑っていた。私は、大騒ぎをしている姿を見てホッとした。

『ナイスフォロー☆』

華代が耳元で囁いた。
一瞬横目で見て、すぐに2人に視線を戻した。

私の顔は少しずつ笑顔になっていった。
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