大好き‥だよ。
●高学年○
5年1組
給食のパンをストーブで焼いて食べるのが大好きだった、堀内先生と涙の別れをしてから数週間が経った今日は、5回目の入学式だ。式の最中私は、新担任の分析をしていた。今度の先生も男性だけど、堀内先生とはタイプが全く違っていた。
まず見た目は、堀内先生の半分くらいで少しひ弱そうだ。体力もなさそうで、運動より勉強をしろとガミガミ言いそうな印象を受けた。「悩み事は自分たちで解決しなさい!!」と言い張りそうな、定年を2年後に控えた先生だった。
でも、笑った顔は優しくて安心するおじいちゃん的存在でもあり、引き続き先生には恵まれているなと思った。
ぼーっと校庭を見ると、満開の桜が新入生を笑顔で歓迎しているように見えた。
『キレイ‥』
そう囁くと、「だな」って後ろに立っていた男の子が賛同してくれた。振り向かなくても声で分かった。
『放課後さ、華代たちを誘って5人でお花見しない?』
『そうだな。たまにはそういうのもいいかも』
暖かい風を肌で感じながら、じっと桜を見つめた。体育館には沢山の人で溢れているはずなのに、今は2人だけの世界に酔いしれていた。
校長先生の長い話が終わり1年生を見送ると、入学式が終った。
新担任の指示に従って5年1組の教室へ戻った。去年より1段高い教室は、今まで見えなかった建物が見えるようになり、少しだけ誇らしく思えた。青い空はどこまでも広がっていて、手を伸ばせば雲を掴めそうだった。
『ほら、みんな席に着け』
クラス名簿を持った先生が教壇の上に立った。
まず見た目は、堀内先生の半分くらいで少しひ弱そうだ。体力もなさそうで、運動より勉強をしろとガミガミ言いそうな印象を受けた。「悩み事は自分たちで解決しなさい!!」と言い張りそうな、定年を2年後に控えた先生だった。
でも、笑った顔は優しくて安心するおじいちゃん的存在でもあり、引き続き先生には恵まれているなと思った。
ぼーっと校庭を見ると、満開の桜が新入生を笑顔で歓迎しているように見えた。
『キレイ‥』
そう囁くと、「だな」って後ろに立っていた男の子が賛同してくれた。振り向かなくても声で分かった。
『放課後さ、華代たちを誘って5人でお花見しない?』
『そうだな。たまにはそういうのもいいかも』
暖かい風を肌で感じながら、じっと桜を見つめた。体育館には沢山の人で溢れているはずなのに、今は2人だけの世界に酔いしれていた。
校長先生の長い話が終わり1年生を見送ると、入学式が終った。
新担任の指示に従って5年1組の教室へ戻った。去年より1段高い教室は、今まで見えなかった建物が見えるようになり、少しだけ誇らしく思えた。青い空はどこまでも広がっていて、手を伸ばせば雲を掴めそうだった。
『ほら、みんな席に着け』
クラス名簿を持った先生が教壇の上に立った。