大好き‥だよ。
約2ヶ月、何の変わりもなく過ぎていった。

相変わらず俊チャンは机と仲良しで、顔を密着させて授業を受けていた。担任の先生に怒鳴られることもあったけど、全然起きる気配はなかった。よほど良い夢でも見てるのかな、と心の中で思っていた。

あまりにも気持ちよさそうにぐっすり眠っていたので、起こす方が悪いことをしているようにさえ思えた。

放課後も、絶対に週2回は一緒に居る事はなかった。その理由は今だに誰も知らないみたいで、俊チャンの行動を不思議に思っていたみたいだ。私は誰と何をしているのか知っていたので、いつも笑顔で手を振って見送っていた。

華代は、そんな私の行動も不思議に思っていたみたいだった。けど、このことは誰にも言わなかった。そっと胸に秘めていた。


そうだ。一つだけ皆で頑張ろうと団結した事があった。それは和樹君が提案した「陸上クラブに入る」事だ。最終的に6人で頑張ることになった。メンバーは、私と華代と和樹君と悠君と小林君と西山君。おなじみの人ばかりが集まった。

男の子たちはリレーに出場するんだと言い張っていた。まだ練習は始まっていないのに、バトン練習や誰が何番目に走るかをすでに決めていた。気が早いと思ったけど、本当に楽しそうに相談していたので、そんな顔を見ていた私たちまで頑張ろうって気にさせられた。

華代は中長距離に出場したいと言っていた。「絶対出る!!」って自分に言い聞かせるだけでなく、下校は出来るだけ走って帰るようになった。いつしか、華代の頑張りを見ていた和樹君も一緒に走って帰るようになった。二人三脚で頑張っている姿が眩しかった。

私も負けてはいられないと気を引き締め、スタートダッシュの練習を始めた。去年、原っさんに注意された事を思い出しながら、一つ一つの動作を丁寧にやった。まだ体が思うように動かなくて、本調子を戻すのには時間がかかりそうだった。


陸上クラブ、リトルリーグ。

それぞれの練習が本格化される直前に、学校ではある行事があった。それは課外学習という名の娯楽施設訪問だ。今年の目的地は、ずっと和樹君が「行きたい行きたい」と騒いでいた遊園地だった。
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