大好き‥だよ。
私達は、ジェットコースターに乗る列には並んでいなかった。こうやって5人が集合してから一人、また一人と何人もの人とすれ違った。

近くの柵に寄りかかっていた悠君が、反動をつけ柵から離れて歩き出した。

『悠?』

俊チャンが名前を呼ぶと、振り向いて無意味に愛想笑いをした。

『折角来たんだし、できるだけ乗らね?』

『だな。じゃあ、行こうぜ』

2人がすたすたと歩くと、和樹君が後ろから茶々を入れた。

『遊園地に行きたいって言ったのは俺。だから、俺に感謝しなさい』

『はぁ?何でだよ(笑)』

『何でって‥』
『まぁまぁ。そんなしょ気ないの』

華代は子供を宥めすかすように優しく頭を撫でていた。和樹君があまりにも素直な反応をしたので、噴き出してしまいそうだった。そのまま近くにいたら笑い声が聞こえてしまうので、少し距離を置いて歩いた。


『そうだ!!いつだったか和樹君、学校に雑誌持ってきてた事あったよね。もしかして‥』

『おっ、よく覚えてたな。そうなんだよ!実はあの頃からずっと来たいって思っててさ。それも家族じゃなくて、このメンバーで♪』

『『『『へぇ~』』』』

自然と出た言葉が4人見事に重なって、しばらく笑いが止まらなかった。

その後も些細な話で盛り上がってると、和樹君だけ会話に入れなくてどんどん沈んでいった。ずっと黙って通りすがりの人とかを見ていたので、華代が慰めていた。

『まだ寂しい?』

『そんなこと、ない‥』

『じゃ、行こっか(笑)』

和樹君の手を掴んでジェットコースターの一番前に乗った。その後ろに、俊チャンと悠君が乗り、私は一人で一番後ろに乗った。

寂しくはなかった。
それよりも、髪の毛で目が覆われて前が見えなくて怖かった。そういえば私‥絶叫系って苦手だった。

叫びそうになる自分を必死で押さえた。
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