大好き‥だよ。
『そうなの?そんな話し、今初めて聞いたよ??』

和樹君は驚いて私を見つめてきた。


『痛っっ!!』

和樹君の頭の上にボールが落ちてきた。


『はははぁ~ぼけーっとしてるからだよ(笑)』

私はお腹を抱えて笑った。


『違う!桜井が初めて聞いたとか言うからいけないんだ!!』


『私がいけないの?和樹君の練習不足だよ(笑)
じゃあ、いつサッカー選手になりたいなんて言ったの?』


『入学式のときだよ!!』


『入学式の‥とき?』

私は頑張って頭の中にある「記憶の糸」を引っ張ってみた。でも何もなかった。


『ごめん‥覚えてない‥』


『はぁ~??』

和樹君は少し怒っていた。




だって‥

入学式の思い出は
俊チャンと同じクラスになれたことと
俊チャンの将来の夢を聞けたことと
俊チャンと一緒に帰ったこと


この3つしか覚えていなかった。



『ごめんって!!今日聞いたから、今度はちゃんと覚えておくから~』

私はいっぱい謝った。


『仕方ねぇ~な。今回は許してやる』

そう言って、またヘディングを始めた。




『そう言えばさ~、ずっと聞きたいことあったんだけど‥』


『ん?なぁ~に??』

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