大好き‥だよ。
『まだ、みたいだな』

『えっ?』

『あいつ等だよ』

『あっ!!うん。
並んでるのかもね』

『そうだな』

会話が終わり、沈黙が始まった。

どうしよう‥どんな話題を切り出そうかな?そう思い、頭の中で考えた。

1、遊園地って久しぶりだね
2、5人が一緒で嬉しいな
3、最近、野球の方はどう?

急に野球の話をするのは不自然だよね。でも、1と2の聞き方だと一言二言で会話終っちゃいそうだし‥。ん~っと‥

頭を悩ませた結果、私が選んだのは全く別の話題だった。


『身長‥伸びたね』

『えっ?』

『肩幅も広くなった』

『あぁ~』

心当たりがあるのか、ポケットからボールを取り出し頭上に投げた。紐で繋がれているんじゃないかと思えるほど、ボールは真っ直ぐ俊チャンの左手に戻ってきた。

ボールを見つめる目はとても優しかった。でも、私を見た後にもう一度見つめるときの目は、何処か寂しげだった。

どうしてそんな目をするの?
今、何を考えているの?

私から話しかけられる雰囲気ではなかったので、何か言ってくれるのを静かに待った。


『ごめん‥』

突然謝られた。

『何で謝るの?』

すぐに聞き返したけど何も答えてくれなかった。

お化け屋敷を選んだことを謝ってるのかな?だとしたら‥
確かに怖かったけど、でも俊チャンが一緒にいてくれたから平気だったよ。

そう伝えようとしたときだった。
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