大好き‥だよ。
『放課後‥』

『放課後??』

『うん。
俺らとの遊びに付き合う事って、言い出したの俺なのに‥。俺の方が約束破ってるよな。ホントごめんな』

謝った理由って放課後の事だったんだ(苦笑)勘違いをしていた自分に少し笑えた。

『ううん。もうすぐ始まるんだから仕方ないよ。
頑張ってね!!』

『もうすぐって‥』

はっとして、両手で口を塞いだ。額からは一筋の汗が流れた。

『もしかして!?』

今まで隠していたのに、ここでバレてはいけない。苦しまぎれの言い訳を必死で考えた。考えたけど勘の鋭い俊チャンのことだから、きっと気付いているだろう‥

俊チャンの表情からそう読み取れた。


『もう少し待って。もう少ししたら‥』

その先は言わなくても分かった。

”もう少ししたら俺から話すから”きっと、そう言いたかったんだと思う。私は正面に向きなおして微笑んだ。

『待ってる。ずっとずっと』

茫然とした顔つきから、いつもの無邪気な笑顔が戻った。

『ありがとう』

とても小さい声だったけど、私の心にちゃんと届いた。


『背伸びた事や肩幅が広くなった事、よく分かったな』

『えっ?あっ、うん』

『誰も気付かなかったのに』

『それは‥』

いつも後ろ姿を見ているからだよ。

恥ずかしくて言えなかったけど心の中でそう囁いた。待っても待っても、その続きを言わない私を見て、俊チャンは首を横に傾けていた。

しばらく見つめ合っていると、遠くの方から聞き慣れた声がした。
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