大好き‥だよ。
『あれ?俊も一緒だったのか』

慌てる素振りもなくゆっくりと3人は近づいてきた。華代の手には、さっきまで持っていなかった袋があった。

『いつまで待たせるんだよ。
トイレから戻ってみたらおまえ等いないし。でも、何処かに行っちまったら逸れると思って、ずっとここに座ってたんだぞ。あーケツ痛ぇ』

その場に立ち上がると、わざとらしくお尻についた砂を両手ではらった。

『悪かったって!!ジュース奢るから許して?』

『仕方ねぇーな(笑)』

俊チャンは和樹君と悠君の肩に飛び掛り、腕を組ながら近くの自動販売機に向かって歩き出した。途中で3人は立ち止まって振り返り、手を振った。私達もそれに応えるように手を振りかえした。

『行こっか』
『そうだね』

華代が持っている袋をじっと見た後、にやっと笑いながら歩き出した。


『なぁ~に、結。
待ってる間に何かいい事でもあった?』

『ん?』

3人を待っている間に、俊チャンと2人でお化け屋敷に入ったことは言わなかった。さっき俊チャンも言わなかったし。

それに、何となく2人だけの秘密にしておきたかった。

『うん、凄く楽しかったよ』

『ねっ!!どんな話してたの?』

『それはねぇ~』

華代は生唾を飲み込んで待った。それに気付いた私は、焦らして焦らして‥‥ニコッと微笑んだけど言わなかった。

『秘密(笑)』
『結~!!』

早足で逃げると華代は勢い良く追いかけてきた。すぐに捕まるようにスピードを落とすと、後ろから手を掴まれた。

華代が乱れた呼吸を整えてる間に先手を打った。
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