大好き‥だよ。

サッカーをして以来、私はクラスの男の子と話すことが多くなった。と言っても話の内容は、休み時間を何して過ごすのか?とか、放課後集まれるのか?といった内容だった。

それでも
前よりも皆と‥特に俊チャンとの会話が増えたことが嬉しかった。


他に変わったことと言えば、最近は良く3人でいる事が多くなった。3人というのは、私と俊チャンと、それから‥和樹君。


席替えをしていないので、今も入学式と同じ席に座っている。
私の左斜め後ろの席は俊チャンで、意外にも、右斜め後ろの席には和樹君がいた。

休み時間になるとクラスの男の子達は、自然とこの辺りに集合することが多くなり、何して遊ぶのか話し合う。

人数が多いときは中々決まらない。

そんな状況になった時は、たいてい和樹君は俊チャンの意見を求める。そして俊チャンが提案して、何故か私に確認をしてくる。私は否定することなく、俊チャンの意見を押す。そして‥

走って校庭に大移動する。いつもこんな形で決まっていた。


どうして私は俊チャンの提案を呑むのかと言うと、一番の理由は、やっぱり好きな人の意見だから‥だと思う。でも、他にも理由はある。それは、一番好きな「野球」ばかりを皆に押し付けないからだ。

きっと毎日野球をやりたいと思う。でも、その日の気候や人数を考えて何をするのか決めている。そんな所を見てきたから納得できるんだと思う。


そして今日も、俊チャンが提案したスポーツをやりに皆で教室を飛び出した。私も皆と一緒に走り出し、下駄箱でくつに履き替えていた。

すると、クラスの女の子に呼び止められた。

『結チャン‥ちょっと今いい?』

皆の足が止まった。

『えっと~‥』

思わず俊チャンを探して見つめると

『先に行ってるから』

そう言って、皆と一緒に走って行ってしまった。
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