大好き‥だよ。
しばらく歩いていると、ガラリと景色が変わった。ここからは、街灯が少なく暗い一本道が続いている。道路が狭いので交通量も少ない‥

私たちは、足元注意しながら歩いた。


「怖い!!」

瞬時にそう感じる寒気に襲われた。辺りを見渡したけど何もない。でも確かに何かがいたような‥

「まさかね。昨日見たビデオがいけなかったんだよ、きっと!」

そう自分に言い聞かせて納得させた。


私は幽霊が大嫌いである。でも‥興味があって、怖いのにテレビでやってるとつい見てしまう。その上、普段は記憶力はよくないのに、怖い映像のみ頭の中に明細にインプットされる。

昨日見たのは、学校の帰り道に突然幽霊が目の前に現れて襲われるという話。まさに、今の状況に近いものがある。すると‥

ヒュー

何かが私の横を通った感じがした。

「まさかね‥風だよきっと‥‥でも!!」

私は足元から目を離し、前を歩いている俊チャンをまず確認した。距離が少し離れていたので、小走りで近くまで行き、すぐ後ろを歩いた。そして自身の体を小さくし、細心の注意を払いながら歩いた。


足元に注意をしながら歩いていた俊チャンが言った。

『石が落ちてるから気をつけて‥』

『キャッ!!』

私は、俊チャンの忠告を踏み躙る行動をとり、石につまずいた。

『痛い‥』

『大丈夫!?』

慌てて俊チャンが駆け寄ってきてくれた。

『う、うん‥』

私は、その場で体育座りをして膝を見た。痛みはあるけれど、それ程酷い怪我はしていなかったので、軽く息を吹きかけていた。

『石が落ちてるの見えなかったの?』

俊チャンは私を見下ろしていた。

『ごめんね‥石が落ちてたこと教えてくれたのに‥。私怖くて足元じゃなくて、周りばかり気にしちゃってたの‥ごめんなさい‥』

絶対に怒ってる。そう思ったら顔を上げることなんて出来なかった。私は、怪我をした場所を見ていた。

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