大好き‥だよ。
『べ、別に‥』

『??ならいいけど。あっ、3姉妹が近づいてくる』

『えっ!!』

私は思わず近くにいた和樹君の後ろに隠れた。

『桜井??』

3姉妹は私を一度見てから俊チャンの前で止まった。


『俊君、話があるんだけど今いいかな?』

『別にいいけど、何?』

『ここじゃちょっと‥』

『ふぅ~ん。じゃあ、向こう行って話すか。って事で、今日何して遊ぶのか決めといてくれ』

『『お、おう。行ってらっしゃい‥』』

俊チャンは、3姉妹に連行されて行った。


『な、何だろうな。話って』

『彼女いるの?とかじゃね?女ってそう言う話好きだし』

『なるほど。んで、女の事をよく理解している、そんなお前は今いるの?』

『俺は‥‥』

一気に場の空気が悪くなってしまった。話題変えないと!!私は咄嗟にそう思い、話題提起をした。

『ね!!今日は何して遊ぼっか!?』

『お、そうだった!!桜井の言うとおり今日は何する?』

『そうだな~‥』

ようやくいつもの雰囲気が戻ってきた。そんな皆の姿を見て少し安心した。安心したら、何だかいつも俊チャンが見ている景色が見たくなり、窓の外を見た。特に何も無いけど‥何だか落ち着く。

俊チャンはいつもこの景色を見ているんだ。そう思ったら、少し頬が緩んできた。

「ヤバイ!こんな姿誰かに見られたら‥」私は両手で自分の頬を叩いて気を引き締めた。その時、ある光景を目撃してしまい再び寒気がした。

田中さんが‥3姉妹と俊チャンの後をずっと目で追ってた。もちろん、目で追っていたのは、私たちもというかクラス全員そうなんだけど、田中さんの場合は一味違う。彼女だけ笑いながら見ていた。まるで全てを操っているかのように。

操っている?もしかして、これを仕組んだのは田中さん。そこまでして俊チャンが欲しいの?そう思ったら、彼女の存在自体が恐くなった。関わりたく‥ない‥そう思った。


この日を境に、俊チャンとあまりしゃべらなくなった。
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