大好き‥だよ。
『お似合いだな』

『そうだね』

私は、妙に高い声で返事をしてしまった。一瞬驚いた顔をして私を見たけど、すぐに二人に目を移し、再び笑っていた。それを見ていた私も、つられるように笑った。


今、凄く幸せだな。

親友が好きだった彼と実は両思いで、それでお互い呼び捨てで呼んでて‥。とにかく、二人は今見つめ合って微笑んでるんだもん。華代の笑った顔、本当に可愛いな。

突然の急展開に頭の中が少しパニックを起していた。でも、その原因はもう一つの方かもしれない。それは‥私の隣に俊チャンがいるということ。

ここ数日、挨拶程度しかしていなかったから。

教室の中で目が合ったり、廊下ですれ違ったりすると一瞬で胸の鼓動が早くなって。離れていても笑い声が聞こえてくると、それだけで私も嬉しくなって。いつか、隣に並びたいなって思っていたから。

だから今、凄く幸せ。


隣にいる俊チャンを横目でチラッと見ると、少し感じが変わっていることに気が付いた。

あれ?
少し身長伸びた?
そういえば、声も少し低くなったかも。それに口調も変わった?なんだか、急に不安になってきた。


私の事は何て呼んでくれるんだろう。前みたいに‥‥下を向いてそんな事を考えていると、私を急かすように左手を掴んで引っ張った。

『あいつ等の所に行って、からかってやらない?(笑)』

その笑顔をみたら、一気に不安な気持ちが吹き飛んだ。呼び方なんて何だって良いじゃん!今、こうして二人でいられることが大切なんだよ。

俊チャンの笑顔は、私を幸せにしてくれるものだった。
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