大好き‥だよ。
どのくらい走ったんだろう。
息が上がっても、心の痛みに比べたら全然平気だった。
もっと遠くへ‥
周りの景色に目もくれず走り続けた。


『ゴホッ』

喉に痰がからまって咳き込んだ。私は、やむを得ず足を止めて、近くの石の上に腰を下ろした。

『二人は今頃‥』

それ以上考えたくなかった。
自分の頭を左右に思いっきり振り、他の事を考えるように努力した。努力はしてみたけど‥目の前に現れた分かれ道を見て俊チャンを思い浮かべた。


あの時、すぐに帰っていれば今頃こっちの道を歩いてるんだろうな‥先が見えない道からは悪感を感じた。

「あの場所、本当に出るって知ってた?」

急に、俊チャンが言った言葉を思い出して怖くなった。出来るだけその道を見ないように、いつのも通学路を歩き始めた。


『今日の夕飯は何だろう?明日は、華代といっぱいお喋りしよう!!』

思っていることを心の中に留めておかず、声に出して吐き出した。そうすることで、少しだけスッキリした。
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