大好き‥だよ。
『じゃあ今日は、田中さんの希望で、クラスみんなでサッカーをしましょう』

『『『はぁーい!!』』』

クラスの大半の人は、元気良く返事をしたけど‥私は心から受け入れることが出来なかった。「どうして田中さんの意見が簡単に通るんだろう?副学級長だから?」今となっては、「田中」という言葉に敏感に反応してしまう自分がイヤだった。


『チーム分けなんですけど、今から決めると時間がかかってしまうので、班対抗戦にしようと思います。何か意見のある人は挙手をして下さい』

先生の問いかけに皆は納得した様子だった。

『では第一試合、一班対二班で行ないます。該当する人は校庭の中央に集まって下さい』

私は該当者に値するため、ゆっくりと歩き始めた。

『結、頑張って。応援してるね!!』

『華代、俺の応援は?』

『じゃあ、和樹も頑張って!』

『俺はついでかよ‥(泣)』

私は和樹君の背中を思いっきり叩いて気合を入れた。

『今度は馬扱いかよ‥』

『ごめん。そんなつもりじゃ(笑)でも本当に仲良しだよね、二人は』

小さく微笑んでいると、和樹君が隣に来て囁いた。

『これで、俊と桜井が付き合ってくれたらダブルデートとか出きるのにな(笑)』

『ダ、ダブルって‥』

大きな声で言ったため皆が私たちに注目していた。耳まで真っ赤にしながら「何でもないから!!」と何度も言って、皆を説得した。


『それでは第一試合を始めます‥』

先生の持っていた笛の合図と共に、第一試合が始まった。


その後も順調に第二、第三、第四試合が行なわれ、あっという間に時間が来てしまった。


ピピーッ

『今日の総合学習はここまでです。皆さん、先生の周りに集まって下さい』

私たちは駆け足で先生の近くに行った。


『今日の総合学習は楽しめましたか?』

『『『はーい!!』』』

『それは良かったです。田中さん、ちょっと前に出てきて下さい』

先生に手招きされて、田中さんが私たちの目の前に立った。
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