アタシタチノオウジサマ
「あの時はまだ若かったからねぇ。さすがに体力ないっす。」

「まだ高校生じゃん。そういえば、その合コンではいい男の子いたの?」

「いるわけないじゃん。ていうか…今は恋愛なんて興味ない。あたしの心の恋人は薫様だから。」

「芸能人かよ…。現実で恋とかしたことないの?」

 一瞬、牛乳瓶メガネの男が浮かんだ。桃にも話していない、あたしの初恋…。

「あたしの初恋は薫様なのさ。そういう桃はどうなの?」

 桃は一瞬困惑の表情をした。話そうかどうか迷ってる様子だ。

「あたしも…まだかな。」

「何だ。まあ、人生これからだしね。そのうち良い人が現れるっしょ。」
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