透明プリンス
それにしても、
本当に色がすごい。
紫やらピンクやら、
ついには白まで。
なんでも来いだなこりゃ。
そのとき、
「おーっす!おっはよぉさん」
でっかい声とともに
何人もの女の子をはべらせて、
一人の男の子が姿を現した。
「はよー」
「あ、久実おはよぉ」
「もぉ、待ってたよぉ」
彼の挨拶に答える大半が、
女の子。
どうやら、世間でいう
女好きとやらの部類に、
彼は属しているらしい。
彼が来た途端、騒がしかった教室が
更にパワーアップした。