空に消えた恋
朝起きた私の顔は、悲惨だった。
目は腫れ、髪はボサボサ。
顔は、明るさを失っていた。
化粧や眼鏡で隠せるものじゃなかった。
コンコン
「入れ。」
「...おはよう..ございます...。」
できる限りの抵抗をして
私は、恐る恐る部屋に入った。
嫌だけど、ご主人様に
朝食の知らせをしなければならない。
「お前、顔どうした?まさか...
「なんでもありません。
朝食の準備ができました。」
私は、まさ...じゃなかった。
ご主人様の言葉を遮った。
そして、できるだけ顔を
合わせないようにした。
しかし...。
「待てよ。」
腕を捕まれた。
振りほどきたくてもたくても
さすがに男の力には敵わない。
「私も支度がありますので...」
私は、顔を反らしたまま言った。
できるだけ平常心を装って...。