空に消えた恋
「お帰りなさいませ」
もうすでに、御堂が待っていた。
俺は車に乗ると、御堂に聞いた。
「彩愛は、どうした?」
「彩愛様なら早退なさって、
今、お部屋で休んでおられます」
「体調でも悪いのか?」
「熱はないのですが、
元気がないようです...」
「そうか...」
「心配ですか?」
「んなわけないだろ!」
「そうですか。」
御堂は、少し微笑んで
それ以上は何も言わなかった。
そして、しばらくすると
家に着いた。
「到着しました。」
御堂は、ドアを開け、
俺は車から降りた。
「そうだ。今日、亮が来るから」
「亮様ですか。久々ですね。
では、お出迎えしますか?」
「いい。直接、俺の部屋に通せ」
「かしこまりました」
そして、最後に
「亮のこと、彩愛にも言っておけ」
とだけ伝えて部屋に向かった。