空に消えた恋
悲愛
**彩愛side**
「俺の言うことは絶対だよな?」
屋上で言われた後、
私は、すぐに気分が悪くなって
早退することにした。
真希から逃げるように...。
昔を思いだす。
「親の言うことは絶対だ」
私の親の口癖だった。
気分が悪くなって帰ると
今日は、お手伝いの仕事は
しなくていいと言うから
すぐに自分の部屋で横になった。
少し経つと、御堂さんが
私の部屋にやってきた。
コンコン ガチャ
「彩愛様、体調はいかがですか?」
「もう大丈夫です。」
「よかったです。紅茶でもどうぞ」
御堂さんは優しく笑って
ローズティーを置いてくれた。
「ありがとうございます」
そして、私が紅茶を飲むのを
見届けてから、御堂さんは
「今日、亮様がいらっしゃるので
彩愛様にも伝えとけ。とご主人様が」
亮くん...??
あー、あのチャラい人か...。
「わかりました...。」
「あ、無理なら休んでいていいですよ。
ご主人様に伝えときますから。」
「大丈夫です。ありがとうございます」
「では、失礼します。」
ガチャ
私に伝えたってことは...
来いってこと...だよね...。