空に消えた恋
ピーンポーン
お屋敷のチャイムを鳴らした。
「はい。」
若い女性の声。奥様かな?
「こちらでお世話になります、
佐々木 彩愛と申します。」
ガチャッ
扉の開く音がして、
優しそうな女性が顔をだした。
「いらっしゃい。彩愛ちゃん。
さっ、あがって、あがって。」
「...失礼します...。」
中は、空のように高い天井。
いくつもの扉...部屋...
たくさんのメイドさん。
本当に、金持ちの屋敷だ。
私は、これから、ここで
働いていくんだな。
彩愛の屋敷人生は、
ゆっくりと始まった。