アイノウタ。
その子は冗談を言って
わたしを泣き止ませようとしてくれるけど
涙はとまらない。
でもいいでしょ??
だってうれし涙だもん…。
「あの…ね、1つだけお願いしてもいい??」
わたしは早瀬くんじゃないほうの子に
向かって言った。
「なに??」
「名前…教えてもらってもいい??」
ずっと言い辛かったけど
なんでも言え、って言ってくれたから…。
「あれ??俺、教えてなかったっけ??うっわー、俺バカだ!!俺の名前は志岐 祐介。改めてよろしく♪」
そう言って志岐くんは片手を
差し出してきた。
…握手??
わたしも片手を出した。