アイノウタ。


他愛無い話をしているうちに


藤野がすごく笑顔になっていったから。


その笑顔を壊したくなかった。





「探してた人いいの??」


「あっ!!忘れてた!!じゃあ行くね!!」




俺がそう言うと、藤野は


笑顔で手を振ってくれた。


俺は藤野には幸せになって欲しい。


たとえ、藤野があいつを選んだとしても


それで藤野が幸せだと思えるのなら


それでいいんだ。


それに、今の俺は


藤野が言ったあの言葉を信じて


待つことしかできない。


そう思ったから。


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