アイノウタ。
「おう♪藤野 綾香。いるだろ??呼んで??」
わたしはバッと
教室のうしろにはりだされている
名簿で出席番号を確認し、
席をみた。
啓太が言う藤野さんは31番。
そしてその席には
昨日、啓太が一緒に帰っていた
あの子がいた。
「…なんか用なの??」
「ちょっとな♪」
「そっか…」
あたしはドアの傍を離れ
藤野さんを呼びに言った。
この光景がイヤなら
断ればいいじゃん、って??
無理だよ…。
そんなことしたらバレちゃうもん。
誰にも言えない、あたしのこの気持ち。