アイノウタ。
「す…すいませんっ!!失礼します!!」
わたしはそう言ってその場から逃げ出した。
からかわれているだけだって
分かってるけど…
急にそんなこと言われたら
誰でもドキッてなるわよ…。
「あれ??藤野??もうすぐ授業始まるけど…??」
「み…三木くんっ!?」
「あれ??髪、おろしたの??片方だけ??」
「あ…今とったの。男の子のボタンに絡まっちゃって…。それで今からくくろうと…」
わたしがそう言うと
三木くんはまだしゃべているわたしをさえぎって
言った。
「なんで??おろしてるのかわいいよ??」
「な!?なに言ってるのっ!?三木くんまでからかわないでよっ!!」
「他に誰かに言われたの??」
「ボタンが絡まっちゃった男の子に…」