アイノウタ。
わたしが答えると
急に三木くんは不機嫌そうになった。
わたし、なにか変なこと言っちゃった!?
「藤野…やっぱくくってなよ、髪」
「…??うん、そのつもりだよ??邪魔だし」
「もうすぐチャイムなるし…ほら、急ぎな??」
「うん!!じゃあね、三木くんっ」
三木くんはなにも答えずに
ただ手をヒラヒラふるだけだった。
その顔はどこか寂しそうな
それでもってどこか
誰かを憎んでいるような…。
いつもの三木くんの笑顔じゃなかった。
それなのに、わたしはなぜか嬉しくて
しかたがなかった。
だってわたしを見かけたときに
わざわざ声をかけてくれたんだもん…。
わたしのこの気持ちは
なんなんだろう…??