アイノウタ。


わたしが答えると


急に三木くんは不機嫌そうになった。


わたし、なにか変なこと言っちゃった!?





「藤野…やっぱくくってなよ、髪」


「…??うん、そのつもりだよ??邪魔だし」


「もうすぐチャイムなるし…ほら、急ぎな??」


「うん!!じゃあね、三木くんっ」





三木くんはなにも答えずに


ただ手をヒラヒラふるだけだった。


その顔はどこか寂しそうな


それでもってどこか


誰かを憎んでいるような…。


いつもの三木くんの笑顔じゃなかった。


それなのに、わたしはなぜか嬉しくて


しかたがなかった。


だってわたしを見かけたときに


わざわざ声をかけてくれたんだもん…。


わたしのこの気持ちは


なんなんだろう…??



< 43 / 133 >

この作品をシェア

pagetop