アイノウタ。
俺は慎吾にすべて話した。
入学式のとき始めて藤野と会って
すげぇ、って思ったこと。
心のどこかで惹かれてること。
それから今あった
渉っていう奴のこと。
なにも隠さず全部言った。
慎吾は黙って聞いてくれた。
こういうとき、やっぱり親友って
いいなあ、って思う。
俺が話し終わると慎吾はゆっくり口を開いた。
「…つまり啓太はその藤野ちゃんが好きってこと??」
「うん…」
「んでその渉ってやつがライバルだって??」
「…かもしれない」
俺が答えると慎吾は
フッと鼻で笑った。