Diamond devil 2
プロローグ
それはたぶん恋敵というもの
「あー、テストも無事に終わったねー!!」
私の横で、オハナが大きく伸びをした。
「本当にホッとしましたね」
オハナの隣には、ノブ。
そして私の左隣にはハル。
今日は期末テストの最終日。
やっとのことで勉強から解放されて、みんな心なしか表情が明るかったりする。
若干一名を除けば…。
「サクは無事じゃなさそうだけど。お前、この俺が直々に勉強教えてやったのに、何?その自信のなさそうな顔」
「だって、勉強は私に向いてないんだって!」
「サクの脳みそは筋肉で出来てるわけ?」
「はーるー」
「はい、はい。ちょっとストップ、そこの2人!!」
今にも一触即発の私とハルを、オハナが止めた。
「せっかくテスト終わったんだから、痴話喧嘩しないの。サクとハルが仲良しなのはよぉく分かってるから」
「べ、別に仲良くなんか…」
ない、とも断言できない。
私、九条咲良【くじょうさくら】と神宮寺晴【しんぐうじはる】は、幼なじみで婚約者でもある。
ちなみに晴の家は、三代続く極道・神竜組。
つまり、私は未来の極妻ってわけ。
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