Diamond devil 2
婚約者は楽じゃない
「それで、あのお嬢様と勝負することになっちゃったの!?」
「うん、まぁ、行き掛かり上ね」
翌日。
オハナとノブに昨日のことを話すと、2人は揃って憤慨した様子だった。
「ハルは何やってんのよ!?黙って言いなりになるなんて」
「まぁ、組長が許可しちゃったらしいからね。組長命令は絶対。たとえ、息子だったとしても」
なんて言いながら、実を言うと私も少し傷付いた。
やっぱりハルは私のこと、恋愛の対象だとは思ってないのかもしれない。
それに、若菜ちゃんは女の子らしくて、可愛くて、ハルとはお似合いだ。
「それで、今日はハルくんは?」
まだ埋まっていないハルの席を眺めて、ノブが言った。
「今日は休み。若菜ちゃんが話があるらしくて…」
「ちょっと、そんなの許していいの、サク?抜け駆けじゃん?」
「でも、なんか大事なことみたいだったし。それに、私はいつもハルの側にいるし…」
「はは〜ん。余裕って訳だ?」
オハナがからかうように言う。