Diamond devil 2
二戦目
組長から伝えられた二戦目のルールも、いたってシンプルだった。
弾は三発。
的には中央から100点、50点、30点と点数が付いていて、その合計点が高い方の勝ち。
そして私がこの二戦目に敗ければ、その時点で勝負は終わりだ。
息が詰まりそうな狭い空間の中で、私は大きく息を吸った。
隣にいる若菜ちゃんを見る。
若菜ちゃんは射撃の名手だという話しは、組員たちからよく聞いていた。
私が不利だというのは分かっている。
でも、心なしか若菜ちゃんも緊張しているみたいだった。
「では、試合を開始する。まずは若菜から。一発ずつ交代で撃ってもらう」
組長がそう告げた。
今日の観客は場所が狭いこともあって、かなり少ない。
いるのは、組長とハル、それに向井だけ。
若菜ちゃんは静かに頷いて、ヘッドフォンを付け直すと一歩前に出た。
愛用の拳銃を的に向け、迷うことなく引き金を引いた。