Diamond devil 2
エピローグ
それはたぶん愛しいということ
「ハル、いる?」
「なに、サク?」
ハルの部屋に入ると、ハルはいつものように何をするわけでもなく、雑誌を捲っていた。
「若菜ちゃん、うちに謝りに来たよ」
「ああ、菓子折り持ってでしょ?うちにも山程届けて帰ったよ」
「そ。…あの2人、どうなんの?」
ベッドに腰掛けながら、私はハルに尋ねた。
ハルは眺めていた雑誌をパタリと閉じて、私の方を向いた。
「親父が話してみるって言ってたから、そうそう悪い方にはいかないんじゃない?そもそも向井は気に入られてるし」
「そっか。なら、良かった」
私がほっと息を吐くと、ハルはくすりと小さく笑った。
「相変わらずお人好しだね、サクは」
「…悪かったね」
「褒めてんだけど、一応」
「全然褒め言葉に聞こえないんですけど」
あー、また皮肉。
素直になれない自分が嫌になる。
こんなんじゃダメだ。
ほら、ちゃんと決めたんでしょ?
私は意を決して口を開いた。
「あのさ、ハル。聞きたいことがあるんだけど…」