神様娘の憂鬱


ただ、生まれてくる子供のほとんどは神力を持たないのだ。


理由はわからないが、確率が低すぎて天界では『人間との子は人間』となってしまっているぐらいに。




「祖母が天使だったみたいだ。君の考え通り、この力を持つことは少なくて祖母の子の僕の母は力を持たなかったよ」


そう言いながら空を仰ぎ見る。




「けど、僕はなぜか生まれ持った。残念ながら祖母は僕が生まれてすぐ亡くなり、母も半分お伽噺感覚で聞いていたから詳しいことはわからなかったけど」



その姿は昨日とはうってかわって小さく見えた。



< 174 / 266 >

この作品をシェア

pagetop