神様娘の憂鬱
私は1人じゃない
「思ったよりも早かったわね」
グラウンドにつくと握野さんが時計台の上に座っていた。
赤い目が私をうつす。
「逃げるわけないでしょ」
うそ…
本当はすごく怖いし逃げ出したい。
でも・・・
「まさか貴様…我に抵抗する気か?」
「そのまさかだとしたら?」
不安な気持ちを奥へと追いやる。
大丈夫。
だって、
「私は1人じゃないから」
心の中にはみんながいるから。
「ふっ、はっはっはっ。いいだろう、暇つぶしだ。相手をしてやる」
そう言ったと同時に惨をくりだしてきた。
“バン”“バン”“バン”
爆音とともに土煙がたつ。
「・・・へぇ~。一応学習してるんだ」
驚き半分、おもしろ半分に握野さんは口角をあげる。
「なめないで。いつまでも同じなわけないでしょ!」
その言葉とともに光の結界を解除し、弾を放った。