神様娘の憂鬱
「ほんっと叶音はバカだ」
むっ!
「な、なによ!さっきからバカバカって」
確かにバカだけどそんなに言われるとさすがに傷つくんですけど。
こんな会話なのに、なぜか翼の表情は優しく思わずドキッとしてしまった。
「頼まれたからってわざわざ人間界までくるもんか。人間界に来たのも傍にいたのも…俺の意思だ」
--ねぇ、翼。
私、単純だし疲れているから勘違いしちゃうよ?
それじゃあまるで・・・
「好きだ、叶音」
「ずっとずっとガキの頃から好きなんだ」
一瞬、翼の言葉の意味がわからなかった。
夢かと思った。
だが、寂しかった心が満たされていく感じがした。
そして涙がこぼれそうになる。
「つばっ・・・」
「かのん・・・」
どうしよう・・・嬉しい。
嬉しすぎる。