神様娘の憂鬱

これからも





次に私が目を覚ましたのは・・・自分の部屋だった。



青空に太陽が輝き、どこからか笑い声が聞こえる。

あの出来事が悪夢だったように平和そのものの景色。



(夢…?)


そうボーッとしていた。


が、そこからが大変だった。


たまたま来たお母さんがよくわからない言葉で叫んだと思ったら抱きついて泣くし、それに気付いた父さんやみんながやってくると目を見開いて驚いてそこから大騒ぎ。


しかも1番びっくりしたのが望ねぇ。


「ばかっ!」って言われててっきりひっぱ叩かれると覚悟したら「心配したんだから~!」と大泣きしたのだ。

望ねぇのこんな姿を見るなんて想像もしていなかった。



あとから聞いた話では、私は5日間眠り続けていたらしい。


神様である父さんが神力で治療してくれたが相当衰弱していたみたいで、私が目覚めたのは

「“奇跡”だね」

と神様らしくない言葉を言っていた。



私が意識を失ったあと、閉じられていた天界との扉は開かれ、父さんが後始末をしてくれたおかげであの時の記憶も傷跡もないらしい。


(ほんとに平和になったんだ・・・)




そして--


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