神様娘の憂鬱



「ほんと、いい加減にしろよなっ!」


走りながら翼が叫ぶ。





「し、仕方ないでしょ!それに走っていけば間に合うって!」



「信号に捕まったら遅刻だぞ!」


「大丈夫だって!」


翼の言葉に私は笑った。





そして私達が信号に近づいた瞬間、赤だった信号が青に変わった。


それも1つじゃなくて、どんどん変わっていく。




こうして信号に1つも引っかからずに学校についた。






「ハァ・・・ハァ・・・」



ま、間に合ったぁー!




朝からのダッシュはキツくて膝に手をついた。













「お前…“力”使っただろ?」













ギクーっ!




そっと翼のほうを見ると
じとーっと疑いの目で私を見ていた。


私は私で図星をつかれて、つい目を逸らしてしまった。










──翼が言う“力”とは『神力』といわれる力。



天界人には生まれ持っているもの。


< 7 / 266 >

この作品をシェア

pagetop