神様娘の憂鬱
「繭・・・。あの子・・・」
「あ、あの子?リカちゃんだよ」
リカちゃん?
「生まれつきの重い心臓病で、ずっと病院に入院してるんだって」
「そう…なんだ」
繭の話を聞いている間も私はなぜかその子、リカちゃんから目が離せなかった。
ずっとここにいるんだ。
産まれたときから、ずっと・・・
そんなことを思っていたら自然と足がその子のほうに向かっていた。
その時の感情は決して同情や哀れみといったものではなかった。
「こんにちは」
そっと声をかけるとリカちゃんは肩をビクッとさせ、私のほうを見上げた。
近くで見るとますます天使みたいだ。