神様娘の憂鬱


いつも元気に走り回っている男の子が担架で運ばれて行ったのを。


その男の子は肝臓が悪くて入院しているんだけど、いつも笑顔だったのに
その時はつらそうに顔を歪めてた。





「まぁ、病院ではし…」
「俺も明日行くから」




えっ・・・・





「ど、どういう意味?」



「繭繋がりで山本に誘われたんだ。
力仕事があるから手伝ってほしいって」



ふと翼が顔をあげた瞬間、目があった。





「っ……」




いつもは「仕方ねぇな」みたいな顔をするのに、


どうして今回はまっすぐに見るの--?





「へ、へぇ~…。そうなんだ…」




な、なんでだろう…


いつもなら嬉しいのに、なにか気が進まない。






そんな気持ちを抱えながら、夜はふけて行った---…












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