神様娘の憂鬱
***
「叶音ー!」
「ま、繭」
翌日、翼と一緒に病院を訪れた。
「おはよう!天越くんも今日はわざわざありがと!」
「いや。山本は?」
「もう部屋にいるよ。いこっか」
相変わらず笑顔の繭。
私も子供たちと遊ぶのはすっごく楽しいし、翼がいるのも嬉しい。
でも、何かが心にひっかかっていた。
「叶音お姉ちゃん!」
部屋に入るとギュウっと抱きしめられた。
でも、この感覚は見なくても誰だかわかる。
「おはよう、リカちゃん」
「おはよう!リカ、ずっとお姉ちゃんのこと待ってたんだよ!」