神様娘の憂鬱


けど、その意味を知っている私は認めたくなくて見て見ぬふりをしていたんだ。




どうにか助けてあげたくて、だからできるだけ傍にいて…



でも、命の灯は少しずつ小さくなっていく。







「---まさか、叶音。
“禁忌”を犯すつもりじゃないだろうな」



「っ…!」


少し肩が動いた私をジロッと見る。





大小あるとはいえど、極端に言えばなんでもできる“神力”



それにはもちろん、“禁忌”と呼ばれるものが存在する。



その中の1つに『人間の命に関わらない』がある。



いくら子供な私だけど、仮にも神様の娘で後継者。



今の私なら病気を取り除くことは無理でも延命することはできる。



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