シュガー・ラブストーリー
珍しいな、今日は来ていないのか。
鍵を開け、部屋に入ってみてもヒメの姿はなかった。
とりあえず照明のスイッチを押した。
そこで、俺の携帯電話が鳴った。
ヒメだ。
「もしもし?ヒメ?」
「もしもしぃ。タレ目〜?」
「……うん、タレ目だけど…。」
直感。
絶対酔ってる。
しかも、出来上がってんな………。
「ねぇ、カズキぃ。」
「…………うん。」
きた………。
ワガママオヒメサマ降臨。
「あたしねぇ、いま駅前の居酒屋で飲んでるんだけど迎えにきて。」
「………了解。」
外で飲んでいて、「迎えにきて」というのは、つまり飲み過ぎて動けなくなったから迎えにきてという事だ。
俺は家路に向かって急いだ道を、今度は駅前の居酒屋に向かって急ぐ。