君想い
それから特にあなたと喋ることなく月日が過ぎた。
季節は冬。
バレンタインデー。
「ねぇねぇ!彩夏は誰にあげる?」
あれからみんなとは急速に仲良くなり
今では呼び捨てで呼び合う仲になった。
「私は、葎君かな。」
何気なく呟いた私の一言に皆が驚愕の顔をしたんだよね。
「本当に!?彩夏やるじゃん!」
と一番心を弾ませていたのは
あの茶髪の女の子、
大政千秋(タイセイチアキ)だった。
千秋とは一番仲が良い。
いつも一緒にいて楽な存在なんだ。
「う、うん」
少し照れ気味で皆に言った。