イトデンワ。
第1章。
彼とは、
遠距離恋愛中。
東京⇔神戸
神戸に、
転勤した彼。
東京に、
彼を待つ私。
中々、
会う時間が取れない彼。
一緒に過ごしたのは、
いつ頃だったかな?
そう考えてしまうぐらい、
彼と過ごす事は…ない。
唯一、
お互いの気持ちである繋がりを確認出来るのが…声。
電話のやり取り。
声を聞くと、
彼が落ち込んでいる事、
色々な事が…感じ取れる。
『今日、取引先で…さ!高校の同級生と会ったんだよ。』
電話で話す彼の声。
明るくしていても…
『何か…あった?』
突然の私の問いかけに、
黙り込む彼。
『何か…あったんだね。』
もう1度の問いかけ。
『何で、分かった?高校の同級生で…卒業の日、「また、会おう。」そう約束した奴が…』
亡くなった事を聞かされた彼。
電話の向こうで、
啜り泣き。