イトデンワ。
最後の夜。
『次は、どこに行こうか!?』
『あの…あそこに行きたいんだけど…あの場所に…』
『あの場所って!もしかして、公園?』
驚く私に、
微笑む。
『ど…どうして?』
『分かるよ。お前が言う“あの場所”は、1つしかねぇからな!あの公園は、俺とお前が出会った場所。また、あの木に登る?そして、俺が支える?』
『あの頃とは、違うんだよ。重さとか…体型とか…からかわないで!』
『ごめん。』
落ち込む姿を見て、
『ご…ごめんね。ち…違うの!何て言ったら…良いのかな?あの…』
顔を伏せ、
落ち込む表情から笑顔に変わった。
『また、からかったのね!もう!!』
『お前のそう言う表情が、見れなくなるし…ワザとからかった。許して欲しいな。』
『別に、怒ってないけど…許してあげる。』
お互いに、
微笑み合う。
エンジンを掛け、
思い出の公園に向かう為に出発。
2人が出会った一番大切な場所。
あの切っ掛けがなければ、
出会う事もなかったかもしれない。
偶然の出会いではなく、
必然な出会い。