イトデンワ。




思い出の1つである大きな木。



出会う切っ掛けとなった大きな木の方に歩み寄る。







『この木!降りれなくなったお前を見つけ、俺が支えた。あの時の出来事が、脳裏に浮かぶよ。』







『恥ずかしいから、やめてよ!あの時は、何も考えず木に登ってしまって…その時、気付いた。降りれないって!笑いながら見て見ぬふりしながら素通りされると思ってたのに、まさか!?手を差し伸べてくれる人が居るなんて思わなかった。手を差し出した途端、手を引っ込めるんじゃないか!?と言う恐る恐るだったし…』







『最初は、親切心を出しておきながら後から…からかう。俺の時、そう思ったんだね?』







頷く。







『あなたが差し出した手の上に、手を置いた時…しっかり握り支えてくれたでしょ!?けど、私のせいで痛い思いさせちゃったよね?庇ってくれた。あの時、嬉しかったと申し訳ない言葉が繰り返されて…あの出来事が、初恋の始まり。あなたに、お礼を言わなきゃね。ありがとう。』







『俺の方こそ、ありがとう。』







いつの間にか!?
元気な子供達の姿がなかった。



公園には、
私と彼の2人だけ。







『静かだね。』







『あぁ~あの時も、同じだったよ。また、ここに来れたら良いな!!そろそろ、行こうか!?』







手を繋ぎ、
木を見つめた後…その場を離れた。





公園を出て、
コンビニに向かい駐車場へ。


車に乗り込む。







PM17:35。







『お前を、ある場所に連れて行きたいんだけど…俺の幼馴染みが経営するレストラン。お前に見せたい物がある。急に行くから無理かもしれない。それでも、良いかな?』
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