イトデンワ。




『何かに夢中になると、忘れちゃうもんだな!』







『あなたは?忘れちゃう?』







『俺が、お前を?』







頷く。







『俺は、今まで1度も忘れた事はない!もし、お前の事を忘れてた時は…“愛”は、消えた事になる。そして、アイツみたいに別れる事にもなる。お前の事が頭から離れない毎日を過ごし、お前を離したくないと強く思うこの俺が…アイツみたいになる訳ないだろ!?お前は、俺の事を全部分かってるのにも関わらず試すように…聞くよな!?』







じーっと見つめる彼。







『聞きたかったから聞いただけで…』







『心配だから…だろ!?』







『心配なんて…してないとは、嘘になる。本当は、心配で仕様がないのかもしれない。あなたの私に対する思いは、凄く分かってるはずなのに…』







『俺達は、遠距離中。そう思うのも無理もない。』







今日が、
彼と過ごす最後の夜。


明日から遠距離再開。





いつ会えるかな?


寂しい日々が始まる。







会いたくても会えない。







電話で聞くあなたの声が、
私にとって…



< 115 / 137 >

この作品をシェア

pagetop