イトデンワ。
『触れる事は…』
『出来ないよな!けど、いつかは側に居てくれる…だろ!?』
デザートを持ち、
テーブルに並べる幼馴染みは問いかけた。
『結婚するのか!?』
『あぁ~良く、分かったな!?』
『そじゃぁ~幼馴染みだからな!それで、結婚の予定は?』
椅子に座る。
『まだ、決まってない。けど、結婚はする。料理は、お前に頼もうと思ってる。お前は、経営者兼シェフとして忙しいから無理には頼まない。今は俺、神戸に転勤中だからもう少し掛かるけど…』
『断ると思う?断る訳ねぇだろ!?喜んで、お受けするよ。』
『忙しくなって、結局…「断る」なんて言わないよな!?』
『言わない!忙しくても、お前達を優先。楽しみだな。』
『いつになるか!?分かんねぇのに、今から楽しみにしてても仕様がないだろ!?神戸が転勤先だし…東京に戻るのは、いつになるか!?コイツにも、待たせてしまうし…』
『長く待たせると、心が変わり離れるぞ!“結婚”と言う文字が、消えてしまう恐れがある。余り、待たせるなよ!!お前の為!』
笑みを浮かべる幼馴染みを、
無言で睨む。
『それは、大丈夫です。長く待つ事になっても、心が変わる事もないですし…離れる事もないですから。“結婚”の文字も、消えません。ずっと、待ちます。』
私は、
自分の本当の気持ちを伝えた。
その言葉を聞き、
幼馴染みは椅子から立ち上がり私を抱きしめる。
突然の出来事で、
驚く私。
怒る彼。