イトデンワ。
『あぁ〜俺の手を握り直した時…伝わった。気になってただろ!?』
顔を伏せ、
小さく頷く私。
やっぱり…見透かれていたんだ。
『アイツは、元カノ。』
元…カノ…
元カノの存在は、
交際を始める前に…聞かされていた。
あんな綺麗な女性と別れた事に対して…
エレベーターが止まり、
開いた。
手を繋いだまま、
部屋へ。
カードキーを差し込み、
ドアを開け、
中に入った。
部屋は、
広い。
周りを見回せる窓。
『1人で、泊まるのに…広くない?そう…か!?シングルの部屋が、満席で…空いてなかったんだね。』
窓から、
外を見回す私。
後ろから、
抱きしめる彼。
窓に映る2人の姿。
『シングルは、満席じゃ…ない。俺が、この部屋を頼んだんだ。お前と一緒に、過ごす為に決まってるだろ!?』
窓に移る彼を見つめ…
『私と…?』
『あぁ〜お前も、泊まるんだよ。2日間、俺とずっと…一緒。嫌?』
『ううん。嫌じゃないよ。凄く…凄く…嬉しい。でも、本当に…私で、良いの?』
『アイツの事…気になる?』