イトデンワ。
『突然!!すまない。君に会いに来たのは、娘の事でなんだ!』
『えっ!?』
『娘の事で、君に言いたい事がある。』
父親から
「娘の事で、言いたい事。」
聞けばある言葉が浮かぶ。
嫌な胸騒ぎ。
『言いたい事って!もしかして、その…』
『今、思い浮かべる言葉ではないから安心してくれ!君に言いたい事は、神戸に帰る時に…娘も一緒にって!頼みたいんだよ。』
彼女の父親からの言葉に驚く。
普通は、
父親が頼むような事ではない。
『驚くのも無理はない。まさか!?頼まれるなんて思いもしなかっただろうし…それも、父親から「娘も一緒に神戸へ。」なんて…』
『はい。驚きました。一人娘を、神戸に行かせるのは親として…なのに、どうして?』
『君の前での娘は、いつもと同じなのかな?』
『は…はい。』
『そうか!?いつもと同じか!?君と離れての生活を毎日送ってる娘は、沈みがちで…笑顔を見せてはいるが、寂しい目をして変わらない。それに、食欲がないみたいで余り食べないんだよ。このままだと、体も心も壊れてしまいそうで!迷惑かもしれない。迷惑は承知で頼みたい。』
真剣な目。
真剣な表情。
じーっと!!
『迷惑じゃないです。凄く、嬉しい事です。無理してた事に大しては、気付いてました。電話のやり取りの中でも…お願いがあります。この事は、アイツには内緒でお願いします。』