イトデンワ。

遠距離。





目覚めの朝。







隣で眠っていたはずの彼の姿がない。



起き上がり、
ソファの方に向かうと…







『おはよう。』







『おはよう。起こしてくれたら良かったのに…』







『気持ち良く眠るお前を、起こすなんて…それは、出来ない。まぁ~音で、起きたらの不安はあった!?』







『音?』







隣に座る。







『お前の寝顔を撮るシャッターの音。』







『ね…寝顔、撮ったの?』







『うん。見る?』







『み…見ないよ。恥ずかしいのと照れるのと…誰にも、見せないでね!』







じーっと見つめる。







『見せないよ。お前の寝顔は、誰にも見せない。俺だけの物。他の奴に見せたら、惚れる可能性あり。』







惚れる?



彼の言葉に、
首を傾げる。







『俺、可笑しい事…言った?』







『う…うん。惚れるなんて…ないよ!私の寝顔見たら、絶句しちゃうと思う。本当は、消して欲しいんだよ。あなたが、笑われてしまいそうで…』
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